【2026年4月改定】技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等について

「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国」)について、
- 「どこまでが認められる業務なのか」
- 「研修として現場作業を行うことは問題ないのか」
といった判断に迷う場面は少なくないのではないでしょうか。
こうした実務上の細かな判断は、入管庁が公表している「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」で確認することができます。
2026年4月に改定あり!
この「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」は、令和8年4月に改定されました。
本コラムでは、実務への影響が大きい3つの改定ポイントについて解説します。

入管がガイドラインを改定した際、過去のガイドラインは掲載されなくなるため、どの部分が新しくなったのか特定が困難です。
本コラムでは、技人国の外国人を雇用する企業のご担当者に向けて、「何が更新されたのか」を分かりやすく解説いたします。
主な改定点(新旧比較)
ポイント1:不適切な受入れ実績がある機関への受入れ制限
何が変わったのか
不適切な受入れ実績がある雇用主や派遣先に対し、新規での受入れ制限を明確化しました。
具体的には、特定技能制度や技能実習制度において、外国人に対する人権侵害行為を行い受入れ停止となった企業において、受入れ停止期間中は、原則として技人国の在留資格による外国人の新規受入れも認められないことになりました。
対象には「派遣先等機関を含む」と明記されており、実際に就労する派遣先機関も規制の対象となります。
改定箇所
(注)「本邦の公私の機関」等(派遣先等機関を含む。)が下記の欠格事由の認定等がなされている機関である場合は、安定・継続的に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動に従事することが見込まれないものと評価し、その受入れ停止期間中は、原則として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する外国人を新たに受け入れることは認められません。
技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等 最終改定令和8年4月
ア 特定技能制度における欠格事由
特定技能制度における欠格事由(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第2条第1項第4号リ(1)~(5))
(ア)外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
(イ)外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
(ウ)外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為
(エ)外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
(オ)(ア)から(エ)までに掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為
イ 技能実習制度における欠格事由
(ア)上記ア(ア)ないし(オ)(「外国人」とあるのは「技能実習生」に読み替える。下記(イ)において同じ。)の行為を行ったことにより、平成29年法務省令第19号による改正前の基準省令「技能実習1号イ」第18号の表のイ、ロ、ハ及び二又は「技能実習1号ロ」第16号の表のイ、ロ、ハ及び二に定める不正行為を行ったとして不正行為の通知を受けた実習実施機関
(イ)上記ア(ア)ないし(オ)の行為を行ったことにより、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律第16条第1項の規定により技能実習計画の認定が取り消された実習実施者
ポイント2:言語業務にCEFR・B2相当の能力要件が明記
何が変わったのか
令和8年4月の改定では、翻訳・通訳や語学対応など、言語能力を中心に行う業務についての考え方が整理されました。
- 主に言語能力を用いる対人業務等に従事する場合、CEFR・B2相当の言語能力を有していることが前提
- 当該言語能力を有していない場合は、「一定水準以上の業務」に従事するものとは認められない
改定箇所(抜粋)
外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留するためには、当該在留資格に該当する活動、すなわち、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務又は日本国内の文化の中では育てられないような思考若しくは感受性に基づく一定水準以上の業務に従事することが必要です。
技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等 別紙4「翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務に従事する場合の在留資格の明確化について」 最終改定令和8年4月
この点において、 主に言語能力を用いる対人業務等に従事する場合は、 申請人がCEFR・B2相当の言語能力を有していることを前提とし、当該言語能力を有していない場合は、 上記「一定水準以上の業務」に従事するものとは認められません。
CEFR・B2相当とは
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)は、欧州評議会が策定した言語能力の国際指標で、A1からC2までの6段階に分類されます。

B2は「中上級」に相当し、複雑なテキストの理解、流暢かつ自然な意思疎通、専門分野での明確で詳細な発話などが可能なレベルとされています。
CEFR・B2相当の日本語力とは
- JLPT(日本語能力試験)N2以上の取得
- BJTビジネス日本語能力テスト400点以上の取得
- 中長期在留者として20年以上の本邦在留
- 本邦の大学・高等専門学校・専修学校専門課程または専攻科の卒業(専攻と業務の関連性が必要。ただし認定専修学校専門課程修了者については柔軟に判断)
- 日本の義務教育修了および高等学校の卒業
日本語以外の言語の場合(CEFR・B2相当)
- 当該言語が申請人の母国語または公用語であること
- CEFR表示のある試験でB2以上のスコアが証明されていること
- 上記に該当しない場合、業務上必要な言語能力を有することの合理的な説明(例:当該言語が公用語の国の大学に留学経験があることなど)
「主に言語能力を用いる対人業務等」とは?
| 該当する典型的な業務の例 | 該当しないと考えられる業務の例(※) |
|---|---|
| ・翻訳・通訳業務 ・語学指導 ・外国人客対応のフロント業務 ・海外取引における交渉業務 など | ・エンジニア・システム開発 ・会計 ・マーケティング など (※)ただし、職種名だけで一律に判断されるものではなく、実際の業務内容に応じて個別に判断されます。 |
カテゴリー1と2の企業は提出の省略が可能
2026年4月15日以降、技人国の申請や更新の際は、CEFR・B2相当の言語能力を証する資料の提出が必要となります。
ただし、カテゴリー1・2(上場企業や一定規模以上の法人など)は、申請時に提出を省略することができます。
(ただし、審査過程で求められる可能性があることに留意する必要があります。)
カテゴリー3・4(中小企業や設立間もない法人など)は、申請時に必ず提出が必要です。
所属機関がカテゴリー3又は4 に該当する場合は、申請時において、当該言語能力を有することを証する資料を提出してください(所属機関がカテゴリー1又は2 に該当する場合であっても、審査の過程で資料の提出をお願いする可能性があります。 ) 。
技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等 別紙4「翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務に従事する場合の在留資格の明確化について」 最終改定令和8年4月
ホテル・旅館業での通訳業務の不許可事例
CEFR・B2相当の言語能力があることについて立証できず、不許可になった事例が公表されています。
本国で日本語学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の旅館において、外国人宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが、当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており、また、宿泊客の大半が使用する言語についてCEFR・B2相当の言語能力を有していることが立証されなかったことから、申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの
技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等 別紙5「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」 最終改定令和8年4月
ポイント3:専修学校「専攻科」修了ルートが追加
何が変わったのか
令和8年4月版で、技人国取得における学歴要件の範囲が広がりました。
学歴要件を満たして技人国になる3つのルート
- 特定専門課程を修了し、専門士の称号が付与された者(学校教育法第131条の2)
- 大学院入学資格が得られる専門課程または専攻科を修了し、高度専門士の称号が付与された者(学校教育法施行規則第186条の3)
- 又は特定専門課程修了者と同等以上の学力があると認められて専攻科に入学・修了した者(新設)
さらに、「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定対象にも「専攻科」が追加されました。
認定校・認定専攻科の修了者は、専攻科目と業務内容の関連性が柔軟に判断されるという大きなメリットがあります。
改定箇所
①本邦において専修学校の特定専門課程の教育を受け、学校教育法第131条の2の規定により専門士と称することができること、②大学院への入学資格が得られる専門課程又は専攻科の教育を受け、学校教育法施行規則第186条の3の規定により高度専門士と称することができること、又は③専修学校の特定専門課程を修了した者と同等以上の学力があると認められた者として専修学校の専攻科に入学し、当該専攻科を修了していることが必要
技術・人文知識・国際業務の在留資格の明確化等 最終改定令和8年4月
おわりに
令和8年4月の改定は、いずれも外国人雇用において「実態に即した審査」をより重視する方向へ進んでいることを示しています。
特に、「言語能力」の考え方や、受入機関の欠格事由の明確化など、これまで以上に外国人の受入れ体制について厳しく審査されることを意味しています。
安易に「大卒だから」と採用するのは、企業にとっても外国人にとってもリスクがあります。
外国人雇用において、
「この業務内容で問題ないのか」
「現場研修はどこまで認められるのか」
「更新時にリスクはないか」
など、不安な点がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
在留資格専門の当事務所にご相談ください!
外国人雇用や在留資格の申請に慣れていない場合、業務内容と在留資格とのミスマッチや書類の記載漏れ、記載内容の矛盾など、潜在的なリスクに気付けないまま申請してしまい、最悪のケースとして不許可となることもあります。
ビザ申請を単なる「書類の手続き」と捉えればそれまでですが、不許可になってしまった場合、企業や外国人にとっての損害は甚大なものとなります。
当事務所では、貴社の業務内容や採用方針に合わせて、入管の審査視点を踏まえた書類を作成し、適切な裏付けと共に伝わる書類づくりをサポートします。
申請の負担を減らしたい方はもちろん、申請について不安なことがある方も、どうぞお気軽にご相談ください。
行政書士みやた事務所
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関連リンク・参考資料
- 出入国在留管理庁公式サイト(在留資格「技術・人文知識・国際業務」):
- 出入国管理及び難民認定法(e-Gov法令検索):
- 「日本語教育の参照枠」の概要 文化庁
- 外国人雇用管理指針

