【特定活動(告示9号:インターンシップ)】とは?サマージョブ(特定活動告示12号)、国際文化交流(特定活動告示15号)とのちがいと取得条件を解説

本記事では、在留資格「特定活動(告示9号:インターンシップ)」について、出入国在留管理庁のガイドラインに基づき、取得要件について解説します。

「特定活動(告示9号:インターンシップ)」とは

特定活動(告示9号:インターンシップ)とは、海外の大学で学ぶ学生が、その大学のカリキュラムの一環として、日本の企業と大学が結んだ契約に基づいて報酬をもらいながら、インターンとして働く活動です。1年以内の期間、その大学の修業年限の半分を超えない範囲で業務に従事します。

引用:出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件(特定活動告示)

九 外国の大学の学生(卒業又は修了をした者に対して学位の授与される教育課程に在籍する者(通信による教育を行う課程に在籍する者を除く。)に限る。)が、当該教育課程の一部として、当該大学と本邦の公私の機関との間の契約に基づき当該機関から報酬を受けて、一年を超えない期間で、かつ、通算して当該大学の修業年限の二分の一を超えない期間内当該機関の業務に従事する活動

https://www.moj.go.jp/isa/policies/bill/nyukan_hourei_h02.html

この在留資格によく似た在留資格として、「サマージョブ(特定活動告示12号)」や「国際文化交流(特定活動告示15号)」などがあります。

サマージョブ(特定活動告示12号)や国際文化交流(特定活動告示15号)とのちがい

「サマージョブ(特定活動告示12号)」は、夏季休暇等の期間を利用して就業経験を得ることができる在留資格です。インターンシップ(特定活動告示9号)とのちがいとして、在留期間が3ヶ月以内であること、大学の教育課程の一部である必要はないことなどが挙げられます。※大学での単位取得がない場合はサマージョブに該当します。

「国際文化交流(特定活動告示15号)」は、地方公共団体が実施する交流事業への参加が目的とした在留資格です。大学の授業が行われない3ヶ月を超えない期間で認められます。活動内容としては、日本の小中学校等において国際文化交流に係る講義を行う活動等が挙げられます。

在留資格活動内容・目的在留期間
インターンシップ(特定活動告示9号)学業等の一環として、日本の企業等において実習を行う活動1年以内
サマージョブ(特定活動告示12号)夏季休暇等の期間を利用して日本の企業等の業務に従事する活動3ヶ月以内
国際文化交流(特定活動告示15号)大学の授業が行われない期間、日本の地方公共団体が実施する国際文化交流事業に参加し、日本の小中学校等において国際文化交流に係る講義を行う活動3ヶ月以内

「インターンシップ(特定活動告示9号)」は日本の企業と大学との間での契約が必須であり、上述の2つの在留資格よりも長期滞在が認められる点が大きな特徴といえます。

「特定活動(告示9号:インターンシップ)」の特徴

  • 外国の大学に在籍する学生が対象
  • 大学の教育課程の一部として扱われる
    ※大学での専攻分野とインターンシップの内容が密接に関連していなければなりません。
    ※単純作業をさせる内容は認められません。
  • 有給のインターンシップ
    ※無給の場合は「文化活動」や「短期滞在」の在留資格が該当します。
  • 活動期間は1年以内かつ修業年限の2分の1以内

「特定活動(告示9号:インターンシップ)」の取得要件

1. 外国人本人の要件

  • 外国の大学(短期大学・大学院を含む)に在籍していること
  • 学位が授与される教育課程に属していること ※通信教育のみは対象外
  • 日本入国時に18歳以上であること

2. インターンシップ内容の要件

  • 期間は1年以内、かつ通算で修業年限の2分の1以内
  • 専攻科目と関連し、大学教育課程の一部として実施されること
    ※大学での単位取得が前提です
  • 外国の大学と日本の受入れ機関との契約があること
    契約にはインターンシップの目的、大学における単位科目及び取得単位数、インターンシップの期間、報酬及び支払い方法、控除費目及び控除額、保険内容及び負担者、旅費負担者、大学に対する報告、解除条件などが記載されている必要があります。
  • 大学での専攻と関連する専門的・技能的な実習や研修であること
    ※同一作業の反復が主となる活動は不可
  • 受入れ機関の下で直接業務に従事すること
    ※派遣先における活動は不可

3. 受入れ機関の要件

  • インターンシップを労働力確保の手段としないこと
  • インターンシップ責任者・指導員の選任(指導員は1年以上の経験者)
  • 過去5年以内に出入国・労働関係法令違反や重大な人権侵害がないこと
  • 契約内容・報酬・費用負担を明示し、合意していること
  • 過去の受入れが適正であること、不適正があれば再発防止策を講じていること
  • 実施状況や評価結果を記録・保存(最低3年間)
  • 実地調査への協力義務

4. 受入れ人数の目安

  • 常勤職員数301人以上:職員数の20分の1
  • 201~300人:15人
  • 101~200人:10人
  • 100人以下:5人(ただし、常勤職員数以下)

※技能実習生は常勤職員数に含めない

仲介事業者を利用する場合の注意点

受け入れ企業は、インターンシップ生の受入れに関する大学との調整や出入国手続に際しての支援、入国後の生活支援等に関し仲介事業者を利用することができます。仲介業者を利用する場合は以下の注意点に留意してください。

仲介業者はインターンシップ受け入れに係る在留資格の申請は行えない

在留資格の申請に関する書類を提出(取次)できるのは、弁護士や行政書士などで出入国在留管理局長に「申請等取次者」として届出を行った者に限られます。資格を持たず、届出も行っていない仲介業者の場合は、在留資格の申請代理や取次を行うことはできません

申請は受入れ機関が直接行うか、届出済みの行政書士や弁護士など、適切な申請取次者に依頼しましょう。

引用:申請等取次制度について (出入国在留管理庁HP)

在留期間更新許可申請等の在留諸申請や在留カードの記載事項変更等の手続については、地方出入国在留管理局への本人出頭を原則としていますが、その例外として、法定代理人が申請を行うケースのほか、地方出入国在留管理局長が適当と認める者について、外国人本人の申請等の取次ぎを行うことを可能とする申請等取次制度を定めています。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00262.html

また、仲介事業者は、適切な支援体制を持ち、外国人の人権侵害を行っていないこと、過去5年以内に入管や労働関連法令に違反していないことなどが求められます。不適切な利用があると在留資格の申請が許可されない場合があります。

労働関係法令の適用について

インターンシップ生の活動内容によっては、労働関係の法律が適用される場合があります。

たとえば、インターン生が企業の事業活動に直接関わり、企業からの指示で働いている場合は、「労働者」とみなされます。この場合、最低賃金や労働時間など、労働基準法や最低賃金法などのルールを守る必要があります。

また、企業が行う研修などであっても、参加が企業からの指示であれば、その時間も労働時間とみなされ、報酬を支払う必要があります。

さらに、インターン生が労働者と認められる場合、そのあっせんを行う仲介業者は職業安定法の許可を受ける必要があり、企業はハローワークに外国人雇用の届出も行わなければなりません。

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行政書士みやた事務所
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宮田 みき
行政書士/出入国在留管理局届出済 申請取次行政書士

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